骨粗しょう症

骨粗しょう症について

骨粗しょう症のイメージ写真

骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。骨粗鬆症の状態になっても特に痛みなどの症状は認めませんが、転ぶなどのちょっとした事で容易に骨折しやすくなります。
骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。
これらの骨折を起こすと慢性的な痛みや筋力の低下により、日常生活に支障をきたしてしまいます。実際に要介護(人の手を借りて生活する)の原因として15%は転倒・骨折によるものとされています。
骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量は加齢とともに減少していき、50歳を過ぎた方は骨粗しょう症のリスクも高まりますので、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。

検査について

骨粗しょう症の検査では、骨密度の測定、X線検査、身長測定、血液・尿検査などが行われます。最も一般的に行われているのがDEXA法(X線検査)です。短い時間で済むうえ誤差が小さく、放射線の被爆量も少ないため、安全性に優れるというメリットがあります。測定する部位は、「腰の骨」や「太腿の付け根部分の骨」が代表的です。
この他、骨吸収に関する骨代謝マーカーの値などを調べるため、血液検査や尿検査も行い、総合的に骨粗しょう症の診断につなげていきます。

治療について

食事療法

骨の主成分であるカルシウムや蛋白質、骨のリモデリングに必要なビタミンDやビタミンKを効果的に摂取することにより、骨粗しょう症の進行を予防することが出来ます。現在は骨粗しょう症でない方も、日常的な食生活を見直し、必要な栄養素をバランスよく摂るように心がけましょう。

なお、骨粗しょう症の人が避けるべき食品は特にありませんが、リンやカフェイン、アルコールなどの摂り過ぎ、喫煙には十分注意しましょう。お酒を飲みすぎる方は、アルコールによってカルシウムの吸収が妨げられたり、尿からのカルシウムの排泄量が増えたりします。またカフェインについても、カルシウムの排泄を促す作用がありますので、コーヒーなどの飲み過ぎには注意して下さい。

運動療法

運動療法を行って骨などに適度な負荷をかけることはとても効果的です。日常的に運動を行うと骨代謝が促進され、さらには筋肉も鍛えられます。これによって体幹が整えられ、体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりします。
なお、激しい運動を行う必要はありません。ウォーキングやジョギング、水泳など20分以上の有酸素運動を週3回程度行うことが大切です。

薬物療法

骨粗しょう症の進行を予防するためには食事療法や運動療法が効果的ですが、薬物療法も並行して行うこともあります。飲み薬から点滴、注射など様々な薬物治療があり、その治療効果などを判断しながら、患者様一人ひとりに合った治療を行うことがとても大切です。
初めて治療される方や過去に治療されていた方など、患者様とお話しながらその人に合わせた治療内容をご提供致します。

骨密度検査(DXA法)

骨密度を測定する機器

当院では、骨粗しょう症の検査に力を入れています。様々な検査法がありますが、最も正確に骨密度を測定できるDXA法(デキサ法)を導入しています。

所要時間:5~10分